時を越えて~タラシ女子と新撰組~





「総司」




南が寝てから少しして、障子の向こうから斎藤の声が聞こえた。




「一君??どうかしたの??」




「水を持ってきた」




障子を開けた斎藤の手には、小さなタルが持たれていた。




南の額に乗せた布を取り、斎藤はタルに張った水で布を冷やし、絞ってまた額に戻した。




「立花は、分かりづらいな」




「どうしたのさ、急に」




斎藤は、姿勢よく正座しジッと南を見下ろした。




< 337 / 384 >

この作品をシェア

pagetop