時を越えて~タラシ女子と新撰組~
「僕だって、一応気を引き締めて頑張ってるよ」
「“一応”が気になるが、まぁいい」
斎藤は、ため息を吐き立ち上がると、少し障子を開けた。
優しい風が、隙間から入り込んでくる。
「そろそろ、夕餉の準備の時間だ」
スッと立ち上がった斎藤は、部屋を出て行こうとした。が、思い出したように立ち止り、振り返った。
「そういえば総司、今日の夕餉は居間で食べるのか??」
「……ううん、ココで食べるよ。南ちゃんも何かお腹に入れなきゃいけないしね。一緒に食べるよ」
「そうか。では、後で取りに来い」
えーもって来てくれないの??という沖田の声を背に、斎藤は今度こそ部屋から出て行った。