時を越えて~タラシ女子と新撰組~
稽古に行きたい。稽古に行きたい。
そんな考えを、振り切るように布団を頭からかぶった。
土方さんにたっぷり説教を食らったし。そもそも、稽古の相手してくれてた隊士みんな病気で倒れてるし。
『脱け出しても、稽古する相手いない』
次逃げ出したら土方さんに、地下牢にぶち込まれるし。おとなしく寝てよ。
眼を閉じて、数分経ったらすぐに眠りに吸い込まれていった。
◇
「――――急げッ!!」
「元気なものは、全員屯所の入り口前に集合だ」
ドタドタトした足音と騒がしい声に、南は目を覚ました。