時を越えて~タラシ女子と新撰組~
「その代わり、土方さんに巡察報告しといてくれよな」
「わかった。しておくよ」
話を終えた二人。そんじゃーな!っと可愛らしい笑顔を残して走り去っていく藤堂さん。
その後姿を見つめていると、急に腕を引かれバランスを崩しそうになった。
なんとかこけるずにすんだけど……。あ、危なかった。
『行くよとか早くしてとか声かけてくださいよ!!急に腕引かれたら吃驚します!!』
「あれ?声かけなかったっけ?」
『え?声かけました?』
「え?」
『え?』
真顔で二人見つめあう私と沖田さん。
それを、見張りの隊士が必死に笑いをこらえながら見ていたことを私は知らない。