時を越えて~タラシ女子と新撰組~
「南ちゃん、元気になったし……どこか、遊びに行こうか」
沖田さんは、遠い眼をしながら呟いた。
『行きましょう。沖田さんがお勧めの甘味屋とか甘味屋とか』
「かんみや、ばっかりじゃん」
クスクスと笑った沖田は、それを最後にぱったりと口を開かなくなった。
『沖田さん??』
頬に添えてあった沖田の手に、力が無くなった。スッ落ちて行く沖田の手を南は掴んだ。
「組長!!!!」
ドタドタと菊池やほかの隊士が、部屋に入ってくる。
ふと耳を澄ませば、一階から争いの音は聞こえなくなっていた。