時を越えて~タラシ女子と新撰組~
いつも通りの南の、威厳や格好よさを守るための行動だった。
あの人は、いつでも自分たちの先を勇ましく歩かれる人だ。少々ポヤーンとしたところはあれど、立派で部下である事を誇りに思える上司だ。
その上司の弱い部分を見せるに値する者か。
俺の目で、見極めご案内する必要がある。
そう考えた菊池なりの質問だった。片華は、質問の内容に吃驚したように目を丸めた。
「元気の無い南はんは、いややけど」
片華は笑みをフッと浮かべた。
「どんな事でも、受け入れ。支えあう事は、友とし当たり前のことやあらしまへんか」
今度は菊池が吃驚する番だった。
この人は、なんだか組長にそっくりな人だ。優しく、穏やかでありながら凛とした部分を備えている。
「……不躾な質問、物言いをしてしまい申し訳ありません。部屋へご案内します」
深々と頭を下げた菊池は案内を始めた。