時を越えて~タラシ女子と新撰組~
――――ヒック。ヒック……。
泣き声は、廊下まで響いていた。その泣き声を聞く二人の影は、ピタリと歩みを止めた。
「……悔しいな。僕じゃ駄目なんだね。どうしても」
片華は、南の泣き声を聞き俯いた。その横では郭言葉が抜けた片華に菊池が驚いた表情を向けていた。
障子の前に、立った片華は一言声をかけ。部屋へはいった。
残された菊池は、ただ呆然と先ほどの片華の姿と言葉に驚いていたが、気にするのをやめ来た道を帰っていった。
部屋にはいった片華は、子供の様に感情をあらわにしてなく南の傍に寄った。
「こんなに、目を腫らしはって」
『片華さん??』
驚いて見上げる南の目から零れる涙に、優しくふき取る。
「心配して、来たんどす」
片華は、優しい笑みを浮かべ南を抱きしめた。