時を越えて~タラシ女子と新撰組~





いきなりするなんて!!という南の抗議の声を背に片華は廊下に立っていた。




南が眠りについた後、沖田は目を覚ました。




目を覚ました沖田に、ずっと寝ずに南が看病をしたのを伝え。もうこんな事がないようにと釘を刺した。




自分の仕事はこれで終わり。片華は、南を沖田のほうへ渡すとそっと部屋を後にした。




好きな子の、恋路を手伝うのは好きになった者の特権。




恋が成就したのなら、自分も嬉しい。そう思いながら、帰ろうと足を踏み出した片華の前に




「よかったんですか」




何処からともなく菊池が現れた。吃驚して、片華は腰を抜かしそうになった。




「吃驚したわぁ。……いつからそこに、いはったんどすか??」




いつも通りに振舞う片華に、菊池は表情を変えることもなく、「さっきです」と答えた。




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