時を越えて~タラシ女子と新撰組~
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土方さんの部屋の前に到着してから数分が経過した。
いまだに沖田さんは土方さんに怒られている。
襖の事を注意する土方さんに聞く気ゼロの沖田さん。聞く気がなければ返事も適当になる。
そのことに対してまた土方さんが怒る。そして適当な返事。と永遠に終わらない口論が続く。
だんだんと私も呆れモードになっていった。
いつ終わるんですか??
もう帰ってもいいですか??
「おい。そこの娘……そこで何をしている」
暇すぎて眠たくなってきた頃。その眠さを吹っ飛ばすくらいハスキーな凛とした声が聞こえた。
声がしたほうを振るかえると、きっちりと着物を着た男の人が一人立っていた。