時を越えて~タラシ女子と新撰組~
「そもそも入隊させることに気が引けるっつーか。だってこいつ女だろ??もし顔に傷でもできちまったら。嫁の貰い手が減っちまうっつーか」
ゴニョゴニョと俯きながら藤堂さんは、反対の理由を言った。
今日あったばっかりの私のことを、そんな風に考えていてくれてたなんて……。犬だなんていってごめんなさい。
感動で涙がでそうになる。
「つーかさ、こいつみたいな性格だったらぜってー嫁の貰い手すくねーからさ。かわいそうだろ」
……ん??
「顔に傷は評価だだ下がりだぜ??これ以上下げちまったら貰い手は皆無だ」
一生懸命に語ってくれている藤堂さんの発言で、出そうになっていた涙はカラッカラに乾いた。
フラッと立ち上がり藤堂さん、もとい駄犬の肩に手を置いた。