時を越えて~タラシ女子と新撰組~
所代わって、新撰組:道場。
私は竹刀を握り締め、道場の真ん中へと立っていた。
目の前には藤堂さんが、私と同じように立っている。
道場に立った瞬間。藤堂さんのまとっていたオーラが一気に変るのを感じた。
これが、組長の位についている人のオーラか……。
南の竹刀を持つ手が微かに震えた。しかし、それは恐怖からくる震えとは少し違った。どちらかというと武者震いに近いかもしれない。
強い人と戦えることに、私は心のそこから喜んでるんだ。何処までも剣術馬鹿だな私。
震える手を見ながら、自然と無意識に口元が緩んだ。
「今からでも、やめれるんだぞ」
そんな私に、心なしか低く感じる藤堂さんの声が聞えた。俯いていた顔を上げる。