時を越えて~タラシ女子と新撰組~
再び俯かせた顔を上げ、藤堂さんの視線とかち合う。
自分の気持ちをちゃんと言えば、藤堂さんもきっと納得してくれるはず……。
すぅっと空気を吸うと、思っていたことを口にし始めた。
『ありがとうございます。藤堂さん……でも私は貴方たちと戦いたいんです』
人もだけれど。時代という波と……。
戦いたいという言葉に、そんな隠語を隠しながら話を続ける。
『何処の馬の骨かも分からない不審者である私を、仲間に入れようとしてくれている。そんな貴方がたと一緒に』
竹刀をもちながらニッと笑顔を浮かべる南の表情には、迷いも戸惑いも一切なかった。
『戦いたいんです』