依存症なあたし様
デート
綾に雪の話をしてから1ヶ月ほど経ったある日の夕方。
『柚!今からデートしようっ!』
綾は黙々と読んでいた雑誌を閉じ、テレビを見ていた俺の方を向いてそんなことを言い出した。
雑誌にデート特集でも載っていたのかな…
「どこ行きたいの?」
『うん!』
「いや、うんじゃなくて…」
『早く準備して!』
そう言ってテレビの電源を切り、綾は自分の部屋へ向かった。
どうやら俺の意見は聞くつもりがないらしい。
「あんなに急いで…何かイベントでもやってるのかな」
日曜のこの時間はいつもちび〇子ちゃんを見るために
何が何でも家に居ようとするのに…
そんなに今すぐじゃないといけないものなのかな。