依存症なあたし様
近すぎて遠すぎて
先輩は目を見開いたが、それは一瞬のことですぐ無表情になった。
『……下行こうか』
「うん」
先輩は先にゆっくり階段を降りていった。
俺は頭の中で聞きたいことを整理しながら先輩の後に続いた。
リビングに行き、先輩はソファ、俺はイスに座った。
何か話を切り出しづらい雰囲気……
でも……今ここで聞かなかったら多分二度と聞く機会はない。
「……槇さんって」
俺がその名前を出したら、先輩の肩がピクッと跳ねた。
『……槇は……あたしの幼なじみだった』
・・・
……だった?
先輩はポツリポツリ話し始めた。
自分の過去を―――