依存症なあたし様



『……きっと好きになっても無駄だと思うけど』


しおり先輩はボソッと呟いた。


しおり先輩はどこまで知ってるんだろう……


「……しおり先輩は、どこまで……?」

『どこまで知ってるかって?……あたしは何も知らないよ』

「……槇さんのことは知ってるんですね」


好きになっても無駄。


それは槇さんがいるから。


綾は槇さんに依存してるから。


綾は槇さんが好きだから。


きっとしおり先輩は知ってる。


だからそう呟いた。


< 88 / 195 >

この作品をシェア

pagetop