空と月の下
「ごめん、美菜…盗み聞きするつもりはなかったんだけど…聞いちゃった…甲斐君と二人で話してたの…」
「……うん…」
「……ほら、おいで。一日だけ、私の胸を貸してあげる」
手で顔を覆い、近づく美菜を郁は優しく抱き締めた。
小さな嗚咽は花火の音でかき消され、美菜の心を表しているかのように花火は散っていく。
祭りを楽しむ人々の声も、今の美菜には雑音にしか聞こえず、心には何も感じることはなかった。
失恋。
美菜の恋心はこの日、終わりを迎えた。
「……うん…」
「……ほら、おいで。一日だけ、私の胸を貸してあげる」
手で顔を覆い、近づく美菜を郁は優しく抱き締めた。
小さな嗚咽は花火の音でかき消され、美菜の心を表しているかのように花火は散っていく。
祭りを楽しむ人々の声も、今の美菜には雑音にしか聞こえず、心には何も感じることはなかった。
失恋。
美菜の恋心はこの日、終わりを迎えた。