空と月の下
開いた玄関から漏れる光は、夜道を歩いてきた美菜の目に刺激を与える。けれど、人がいるという温かみが心に安らぎをくれる。
明るい部屋に、つけっぱなしになっているテレビの声。
すこしカバーが乱れているソファに美菜は腰かけた。
この部屋は武が住んでいる部屋で、美菜は武と同棲しているわけではない。ただ時間が合う時は、互いの部屋で同じ時を過ごす。
そして、その同じ時間を過ごすうちに”ただいま”、”おかえり”と挨拶をするようになった。
「舞、綺麗だったよ」
「……そっか」
隣に座った武の肩に身を預け、美菜は今日あった結婚式について語りだす。
「旦那さんも、優しそうだった」
「……うん」
「舞の幸せそうな姿、本当に嬉しかったよ」
「うん。…俺も昨日メールだけ送った」
「そっか」
「ありがとう、って来たよ」
「うん」
それからはあまり話すこともなく、お互いに寄り添い、時を過ごした。
「明日から仕事だから今日は帰るね」
「あ、あぁ。そう?」
「ん?うん。さすがにパーティドレスで会社には行けないよ」
美菜は引き出物やパーティバッグを手に取ると、玄関に向かって歩き出した。
「あ、待って」
慌てるように武は立ち上がり美菜の手を引いた。
突然の事に美菜の体のバランスが崩れ、後ろにいる武の胸へ倒れこんだ。
明るい部屋に、つけっぱなしになっているテレビの声。
すこしカバーが乱れているソファに美菜は腰かけた。
この部屋は武が住んでいる部屋で、美菜は武と同棲しているわけではない。ただ時間が合う時は、互いの部屋で同じ時を過ごす。
そして、その同じ時間を過ごすうちに”ただいま”、”おかえり”と挨拶をするようになった。
「舞、綺麗だったよ」
「……そっか」
隣に座った武の肩に身を預け、美菜は今日あった結婚式について語りだす。
「旦那さんも、優しそうだった」
「……うん」
「舞の幸せそうな姿、本当に嬉しかったよ」
「うん。…俺も昨日メールだけ送った」
「そっか」
「ありがとう、って来たよ」
「うん」
それからはあまり話すこともなく、お互いに寄り添い、時を過ごした。
「明日から仕事だから今日は帰るね」
「あ、あぁ。そう?」
「ん?うん。さすがにパーティドレスで会社には行けないよ」
美菜は引き出物やパーティバッグを手に取ると、玄関に向かって歩き出した。
「あ、待って」
慌てるように武は立ち上がり美菜の手を引いた。
突然の事に美菜の体のバランスが崩れ、後ろにいる武の胸へ倒れこんだ。