Cendrillon.



呆れた様に眼鏡の奥の瞳を細める彼女。


「…あ、伊月君。こっちいらっしゃい」

「はい?」

「ネクタイ。曲がってるわよ」


素直に近寄れば、首元のネクタイを直される。


「寝癖も付けちゃって…子供ね。

ちゃんと早起きする癖付けなさい」

「はは、すいません」


へらりと笑って返すも、彼女の瞳に隠された情欲に気付けば、


「昼休み、会議室B」


と小声で呟いていた。



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