Cendrillon.
「何か久し振り、イッキの部屋」
「君が来なかったんでしょ」
キッチンに行くべく立ち上がれば、
入れ替わりに彼女がソファに腰掛ける。
エスプレッソマシンをセットし、後は待つだけだ。
「何?寂しかったの?」
くすりと、あざとい笑み。
「別に。俺も君だけな訳じゃないから」
「あら、私がイッキ以外にも居るって言いたいの?」
「さぁね」
冷たく返すも、やはり笑みを零す彼女には勝てない。
そう思えば、背中を向けた。