Cendrillon.



「拗ねないで?」


するりと後ろから手が回ってくれば、
背中に柔らかいものが押し当てられて。


「拗ねてないよ」


カップにコーヒーを淹れながら告げる。


「顔に出てるわ」


耳元で囁かれ、首筋を細い指先で撫でられる。


「…はい、コーヒー」

「ふふ、ありがと」


簡単に機嫌が直ってしまう自分にも嫌気が差すけれど、
やはり彼女のこの笑顔には勝てなくて。



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