Cendrillon.
つまらない深夜番組をBGMの様に垂れ流し、
無言でエスプレッソを飲む。
沈黙でも苦痛じゃない彼女の雰囲気が、とても好きだ。
「…御馳走様。美味しかった」
「うん、其の辺置いといて」
彼女は空になったカップをガラステーブルに置き。
そして、彼のカップまでも奪い置く。
「…俺、まだ飲んでる」
「もういいじゃない?」
艶を含んだ声色で囁かれ、首に腕を回される。
このまま為されるままになるのも悪くはないが、
それでは自分が受ける事になる。
それは不服だな、なんて思えば、
ソファに彼女の細い体を押し倒した。