恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「あ、はい。
こちらこそ、よろしくお願いします」
わたしは理事長に頭を下げた。
「可愛い子ね、煌」
理事長はわたしから、煌くんに視線を移した。
「…………」
その視線からにげるように、別の場所を見る煌くん。
「ふふふ。煌もやっとね」
と、何かボソッと理事長は呟いた。
何言ってんだろ?
「さてと…………
愛依ちゃんと煌、こっちに座って」
わたし達は言われるがまま、理事長が指定した黒の革でできた、座り心地のいいソファに腰を下ろした。
「今日から、愛依ちゃんはこの私立成澤学園に通うわけだけど………名字と住所はどうする?」