恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
わたしが名前を言うと、先生は少し驚いた顔を見せた。
「獅子戸………?
君は……獅子戸煌くんと関係が……?」
その質問に、わたしは煌くんをちらっと見た。
煌くんもわたしを見ていたみたいで、目が合うと、静かに頷いた。
「あ、はい。煌くんとは遠い親戚です」
怪しまれないように、冷静に答えた。
「そうか………
わたしは2年4組の担任の新原泰孝-ニイハラヤスタカ-だ。
よろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
差し出された手を握り、握手をした。
「じゃあ、新原先生、お願いします。
獅子戸くんも、もう教室に戻りなさい」
「チッ………」
他の先生がいるからなのか、理事長はさっきとは違う言い方だ。
煌くんは変わらないけど………