恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「せんせー来るの遅ーい!」
そういえば、さっきチャイム鳴ってたな。
「すみません。
理事長に呼ばれてて……遅れました」
それ、わたしのせいだね。
ごめんなさい。
心の中で先生に謝った。
「理事長ー?なんで呼ばれたんだよー?」
「なんかやらかしたんじゃねぇ?」
わははと、教室中が笑いに包まれた。
うわっ……怖い……
先生、馬鹿にされてない?
「何もやらかしていません」
「じゃあどうしたんだよ〜?」
あ、でも意外と……先生とクラスの人達、仲良いかも………
「もしかして……転校生!?」
「んな、わけねぇだろ!
こんな時期に!!」
まだクラスが新しくなって一ヶ月。
まだ5月だ。
こんな時期に転校生なんかいないよね、普通。