恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
わたしは、気分はルンルンで席についた。
「教科書は、隣の人に見せてもらって下さいね」
そう言ったあと、ホームルームはおしまいです、と付け足し、新原先生は出て行った。
その瞬間に騒がしくなる教室内。
わたし………やっていけるかな………
「ねぇ」
そんな心配をよそに、前の席の子が話掛けてきた。
「な、なに?」
「そんなに堅くならないでよー。同い年でしょ?」
いやー、それがわからないんです。
とは、言えず苦笑い。
「まあ、いいや。
わたしは、渡邊麻凛-ワタナベマリン-。麻凛って呼んでね。
わたしも、愛依って呼ぶから」
「あ、うん」
麻凛は、海のような人だった。
なんか爽やかというか……サバサバしてる?