恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
そして放課後。
わたしはお昼に煌くんに言われた通り、ホームルームが終わったらすぐに駐輪場へと向かった。
そこにはもう、バイクに跨がった煌くんの姿が。
「ごめんなさい……待った…?」
肩を揺らしながらそう言った。
「大丈夫だ、ほら」
渡されたのは、ヘルメット。
それをつけて、わたしもバイクに乗った。
「篤斗くん達は?」
「先に行った」
短く答えた煌くんは、エンジンをつけた。
「行くぞ」
鏡でわたしが頷いたのを確認すると、煌くんはバイクを走らせた。
学校に来るときとは違う道を通る。
数分間走らせたとき、微かに海の匂いがした。
海が近いのかな?