恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】

説得と嵐の前の静けさ




その日の夜。



倉庫から帰ったわたし達は、ご飯を食べてソファに座り、のんびりと過ごしていた。




今がチャンスと思い、煌くんに話し掛ける。





「ねぇ、煌くん……」



「なんだ?」




テレビに向けていた視線をわたしに向けた。




「あ、あのね………わたし、バイトしたいの」



煌くんの眉がピクリと動いたのを、わたしは見逃さなかった。



ああ〜……無理かも……




「どうして、する必要がある?」



「わたし、ずっと煌くんに頼ってばっかりでしょ?
だから………少しでも、自分でできるようになりたいって思ったの……」




煌くんを見つめて、そう言った。



煌くんもわたしを見つめ返してくる。












< 173 / 369 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop