恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
説得と嵐の前の静けさ
その日の夜。
倉庫から帰ったわたし達は、ご飯を食べてソファに座り、のんびりと過ごしていた。
今がチャンスと思い、煌くんに話し掛ける。
「ねぇ、煌くん……」
「なんだ?」
テレビに向けていた視線をわたしに向けた。
「あ、あのね………わたし、バイトしたいの」
煌くんの眉がピクリと動いたのを、わたしは見逃さなかった。
ああ〜……無理かも……
「どうして、する必要がある?」
「わたし、ずっと煌くんに頼ってばっかりでしょ?
だから………少しでも、自分でできるようになりたいって思ったの……」
煌くんを見つめて、そう言った。
煌くんもわたしを見つめ返してくる。