恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
わたしが聞くと、煌くんは短く「迎え」とだけ言った。
バイクじゃないってことは、歩いてきたのかな?
「ありがとう、煌くん」
そう言うと煌くんは、いつものように、わたしの頭に手を乗せた。
終わる時間を言えって言ったのは、もしかして、このため?
「愛依、じゃあまた明日ね!」
「うん、またね」
麻凛は、走って帰って行った。
「帰るぞ」
煌くんは、歩き出した。
わたしは、その後ろをトボトボと着いていく。
会話はないけど………落ち着く時間。
安心できた。
「今日、どうだった?」
「楽しかったよ!」
「そうか………
これからも、迎え、行くから」