恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
危機と恐怖
「ねぇ、獅子戸さん、煌先輩が呼んでたらしいよ」
あんまり話したことのないクラスメイト(男)が、そう伝えてきた。
「え?なんて?」
「体育館裏に来いって」
体育館裏?
なんでわざわざそんなところに………
まあ、いいや、行けばわかるよね。
「ありがとう。
麻凛達が帰って来たら、体育館裏に行ったって伝えてもらっていい?」
今、ちょうど麻凛達はいない。
先生に呼ばれて、二人ともどこかに行っちゃった。
「わかった」
返事を確認し、わたしは、急いで体育館裏まで行った。
体育館裏に着くと誰もいない。
「あれ?」
もしかしてまだ……いない?
急いで損した……
そう思ってふうっと息を吐いて、壁に寄り掛かった。