恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】



「昨日言っただろうが!
13時に中庭って!」




目の前まで来た煌くん。

身長差が結構あるので、わたしは蛇に睨まれた蛙みたいな状態だ。





「えっ……?」




あれって……




「冗談じゃ……なかったの……?」





わたしが言うと、眉間に寄っていた皺がさらに濃くなった。




「冗談じゃねぇよ……
……冗談で…あんなこと……言うわけねぇ」



「ご、ごめんなさい……」




しばらくの間、沈黙が流れた。




冗談でもとりあえず、中庭に行けばよかった。


そしたら、煌くんもこんなに怒る必要がなかったのに…………




わたしが一人で落ち込んでいると、溜息が聞こえベッドからキシリッという音が鳴った。






音のした方を見るとどうやら、煌くんが溜息をついて、ベッドに腰掛けたみたいだ。















.
< 19 / 369 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop