恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
煌くんは、また龍くんに詰め寄り、胸倉を掴んだ。
「お前に………頼んだだろうが!!!」
「…………」
「なんで……んなことに、なってんだよ!?」
煌くんは、今にも龍くんを殴りそうだ。
「煌、やめろ」
そう言ったのは、愁さん。
「今は、麻凛ちゃんや愛依ちゃんが見てる。
それに……俺達も、お前も守れなかったことには、変わりない」
愁さんの言った言葉で、煌くんは「チッ…」と、舌打ちをして、フェンスを蹴った。
「タバコ……吸ってくる」
煌くんは、階段を下りて行った。
「荒れてるね〜」
暢気に言う篤斗くん。
「そうだね。むしゃくしゃしてる。
まあ、ほぼ八つ当たりだね」