恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
俺は再び、愛依に視線を送り、近付く。
今は……お前等に構ってる場合じゃねぇ………愛依が………
「愛依………」
「……ら、くん……」
愛依は震える声で俺の名を呼んだ。
身体は………小刻みに震え、その身体を抱え込んでいる。
必死に落ち着かせようとしている。
だけど…………震えは一向に収まる気配はない。
「愛依………」
「あ、れ?……おかし、い……な………震えが……止まらなっ」
そう言いながら、さらに震えが増す、愛依の身体。
「っふ………うっ…」
そして、嗚咽を出しながら下を俯いた愛依。
愛依に渡した俺のシャツに………染みができていく。