恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
ああ…………抱きしめたい………
この腕で、お前を…………安心させたい。
けど……俺が抱きしめても……いいか?
そんな考えが浮かんだ時には…………もう、身体が勝手に動いていた。
愛依………
「愛依……大丈夫だ」
愛依を落ち着かせようと、そう言った。
「大丈夫だ」
あんなことがあって、大丈夫なわけがない。だけど、そう言わずにはいられない。
そうでもしないと、愛依が、壊れてしまいそうだったから。
――――――
あの時の愛依を思い出すと……………
「クソッ……」
ダメだ………冷静でいられなくなる。