恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
はあ、とため息をついて時計を見ると、さらに30分が経っていた。
おかしい………いくらなんでも、遅すぎ………
俺は、ソファから立ち上がり、風呂場に向かった。
愛依………どうした……?
脱衣所に近付くと、シャワーの音が聞こえてくる。
心配なかったか………?
と、思ったけど、脱衣所から風呂場にいる愛依に声を掛けた。
「愛依、大丈夫か?」
……………
返事は、ない。
あるのは規則的なシャワーの音だけ。
「愛依?…………愛依!!」
何度呼んでも返事はない。
「愛依!!!」
まさか………………
最悪な事態を予想して、俺は、タオルを掴み、風呂場の扉を開けた。