恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「おはよう。眠れたか?」
部屋に入り、ベッドに座るわたしに近づきながら、煌くんは言った。
「おはよう!!大丈夫だよ」
ほんとはあんまり眠れていないけど、笑ってそう答えた。
そして、
「昨日は………あ、ありがとう……」
恥ずかしいから、煌めくんから顔を背けてお礼を言った。
「大したことはしてねぇよ…」
「ううん、そんなことないよ。
ありがとう」
わたしがもう一度、お礼をいうと、煌くんはくるりと体を扉の方へと向けた。
わたしがいるベッドからは、煌くんの背中しか見えない。
どうしたんだろう……
そう思っていると、煌くんは「そうか…」とだけ言って、部屋を出て行った。
煌くん……もしかして…お、怒ってる?