恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
―――――――
「あ……い…あ……愛依」
誰かが、わたしの名前を呼んでいる。
何回も………
わたしの頭を…優しく撫でながら……
このぬくもり……
わたし……この手………知ってる…
これは……この手は………
――――――――
ゆっくりと重たい瞼を開けると、懐かしい天井が見えた。
ここは……
「病院……?」
「愛依ちゃん!?」
わたしが声を出すと、篤斗くんがわたしに顔を近付けた。
「よかったぁ……目、覚めたんだね~」
心から安心した……そんな感じで篤斗くんは、言った。
「わたし……なんで、病院に……?」
「倉庫で愛依ちゃんときーくんと喧嘩したあと、僕たちご飯食べに行ったでしょ?
あれから帰ってきて、愛依ちゃんの様子が気になって、総長部屋に行ったら返事なくて……
ほんとは、あそこには入ったらいけないんだけど……嫌な予感がして……
案の定、愛依ちゃん倒れてるし……それから、病院に連れてきたんだ」
「そうだったんだ」