恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
ふぅ……やっと着いた……
と、思ったら……ドンッ!と、体に衝撃がきた。
えっ…?うそ……倒れる!!
足で踏ん張ることの出来ないわたしは、そのまま倒れるしかなかった。
「危ない!」
と、声がしたと思ったら、腕を引かれ次に、背中を支えられた。
倒れることしか考えていなかったけど……多分、わたしとぶつかった人物が支えてくれたみたい。
「ごめん……大丈夫?」
優しい声で言ったのは、愁さんだった。
だけど、わたしはお礼を言うどころか……反対に愁さんを突き放した。
その衝撃でわたしはその場に座りこみ、愁さんは、少しよろめいた。
「おい、どうした?大丈夫かよ?」
と、今度は愁さんの後ろにいた龍くんが、手を差し伸べてきた。
その行動にあり得ないくらいビクッと、反応したわたしの体。
「愛依?」
硬直して、動かなくなった。