恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
まただ……体は、固まっているのに……心臓は、爆発しそうなくらい激しく動いてる。
「ちっ……しゃーねぇな」
龍くんは、わたしが立ち上がれないと思ったのか、わたしに近づいてきた。
「龍…待て!」
「は…?何が……」
なぜか、愁さんが龍くんを止めようとした。
龍くんは、意味がわからないようでそのままわたしの脇腹に手を置いた。
その瞬間、固まっていたわたしの体が、小刻みに震えだした。
「……め、て……」
「え…?」
「はな、して………お願い……触らないで!!」
龍くんは、驚いてわたしから離れた。
自分でも、何を言っているのかわからなかった。
だけど……体は何かを感じているようで……震えと、心臓の音が止まらない。
「お前……どうしたんだよ?」
龍くんは、負けじと手を伸ばしてきた。
「いや…いや、こ、来ないで!!」
終いには、泣いてしまった。
何で……?
自分の体なのに……わからない…
何が起こってるの……?