恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
そう口にしてからハッとする。
えっ……?
わたし……今、なんて………?
煌くんから体を離して顔を見た。
煌くんも少し困ってる………?
だって……固まって動かないもん!
「ご、ごめん……今のなし!!」
その言葉で、覚醒した煌くん。
「なしで、言い分け?」
さっきまで、固まっていたのに……今は意地悪そうな顔をしている。
なし………にしたら、ずっとこのまま……?
気持ちを伝えないまま……一緒にいるの?
そんな事……出来ない………
絶対隠しとおせない。
今にも溢れ出しそうな思いだから……
「やっぱり……なしに、しないで……」
わたしは、緊張で泣いてしまった。
すると、煌くんは両手で、わたしの顔を優しく包み込んだ。
と、思ったら、顔を近づけて………優しく口づけをした。