恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「寝るか……」
煌くんは、わたしを下ろし、ベッドに寝転んだ。
えーと……これは………
「わたしも……?」
恐る恐る聞いてみる。
すると、フッと花で笑った煌くん。
「やっぱり、一人で寝るか?」
わたしは、おもいっきり頭を横に降った。
「だけど……煌くんが嫌なら…」
一人で寝るしかない。
「冗談だ。早く入れ」
と、布団を捲ってくれた。
わたしは、そのなかに入って、さらに恥ずかしさと不安を埋めるように、煌くんに抱きついた。
煌くんも、抱き締め返してくれた。
「わがまま…言って、ごめんね?」
煌くんの分厚い胸板に顔を埋めながら呟いた。
「こんくらい、屁でもねぇよ……
気にすんな」
煌くんは、頭をなでてくれた。
ごめんね……ほんとうに………
謝罪の言葉を口にせず、煌くんの着ているシャツを握りしめた。
わたし……幸せだな……
でも、あんまりわがまま言うと、愛想尽かれちゃう。
こんなこと、今日だけにするから……
ごめんね…
わたしはそう思いながら、煌くんの腕の中で眠りに落ちた。