恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
トサッ………
「俺から………逃げてみろよ……」
えっ………?
いきなり煌くんに押し倒されて……真上には煌くん。
手を動かそうとするけど、手首をがっちり押さえられていてびくともしない。
真上の煌くんは、………機嫌がよろしくない。
煌くん……?
どうしたの…?
「煌…くん……?」
名前を呼ぶけど、返事は返って来ない。
仕方なく、言われた通りにこの状況から逃げようとするけど……無理だ……
煌くんの力には敵わない……
蹴る……ことも出来るけど……そんなこと、できない。
好きな人……だから………
「……諦める…のか…?」
そう呟くと……煌くんは、わたしの首筋に顔を近づけた。
「…き、らくん……っん…」
首筋に痛みが走る。
これは……あの時と……同じ痛み……