恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「さっき…この体に触れたのは……?」
「煌く、ん……」
それで、わたしは、ハッとした。
違う……あの人達じゃない。
手も手の大きさも……温度も……わたしに触れた唇も……全部……違う……
わたしの知ってる……煌くんだ……
わたしは、体を起こして煌くんの首に手を伸ばし……抱きついた。
「き、らくん……っらくん……きら、くっ………煌くん……」
煌くんがいると、ここにいるのは煌くんだと、確かめるように………強く…強く……抱きついた。
「愛依に…触れるのは……俺だ。
あいつらなんか……忘れさせてやる」
そう言った煌くんは、わたしに……キスをした。
思わず、目を閉じた。
煌くんは、唇を離し、こう言った。
「目は開けろ……俺を、見ろ」
今度は、視線を合わせたまま、そっとキスをする。