恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
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「ねぇ…煌くん……これでほんとに、大丈夫?」
「大丈夫だ……てか、何回聞くわけ?」
わたしの横を歩きながら、呆れたように笑う煌くん。
「うー…だって……」
今は、準備を終えお父さん達のところに向かう途中だ。
私服は持ってきてなかったから、また借りることになったんだけど……だ、大丈夫かな……?
彼氏の家にあった服を借りて、お父さん達に挨拶って……どういう神経なんだろ…わたし。
しかも短パンにTシャツって……ラフすぎない?
煌くんが、持って来たから何にも言えないんだけど……
大丈夫かな……?
さっきから、緊張で心臓がバクバクしてる。
あー怖いお母さんだったら……どうしよう……
「そんなに緊張すんな……たかが俺の親父だ」
「たかがじゃないよ!"彼氏"のお父さん、お母さんなんだから……緊張する……」
自分で言って更に心臓が、バクバク鳴り出した。
バカだ……言わなければよかった……