恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
さっき、不機嫌そうだった煌くんは、智秋さんが部屋から出ていったあと、部屋にある物に当たってた。
椅子を蹴ったり、壁を殴ったり……
わたしが声をかけると、ごめん…って謝って部屋から出て、どこ行ったのかと思ったら、服を持ってきた。
それからはいつもの煌くんだった。
煌くん……あんなに怒るなんて……わたし…何かしたかな……?
でも…今は、普通だし……
わからない……
「愛依…着いたぞ」
煌くんが、立ち止まった。
どうやら、お父さん達がいる部屋に着いたみたいだ。
「お父さん達…どんな人?」
「普通の親父…」
普通って……それじゃわからん!
これは自分で見た方が早い。
獅子戸愛依!いざ、出陣!!
わたしは、部屋の中に入っていった。