恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「あっやっと来た♪」
最初にわたし達に気がついたのは、智秋さんだ。
智秋さんの声につられて、他に部屋にいた人達がわたしに、視線を向けた。
その人は……
「やぁ!君が煌の彼女かい?」
もちろん…煌くんのお父さんとお母さんだ。
「は、はい!初めまして!愛依です!」
「初めまして♪父の獅子戸恭哉ーシシドキョウヤーです。よろしくね。
で、こっちが……」
と、視線の先には……綺麗な女の人。
「母の獅子戸葉瑠ーシシドハルー。よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「とりあえず……座ろうか」
そう言われ、既にソファーに座っていた煌くんの隣に腰をおろした。
「話は煌から聞いてるよ。いろいろ大変だったね?」
「そうかも…しれないですけど……煌くんが、いつも助けてくれたので…今は、幸せです……」
煌くんと、出会っていなかったら……こんなに笑えてたのかな……?
「それに……煌くんのお父さん、お母さんにも…感謝しています。
こんな…記憶のない赤の他人を煌くんと、一緒に暮らさせて頂いて……今まで、挨拶もなしに…ごめんなさい…」
わたしは、いつも気がかりだったことを、やっと言えた。
煌くんは、気にするなって言ったけど、やっぱり…今まで、挨拶しなかったのは……ダメ…だよね?
「いやいや…気にしないでくれ……わたし達も君が煌と、居てくれることに感謝しているんだ」