恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「じゃあ、俺は仕事に戻る。
煌、ちゃんと話せよ。ここ、使っていいから」
そう言って、残りのお握りを口に入れた先生は部屋を出ていった。
いなくなっちゃった。
これって………
「納得してくれたの?」
「ああ」
「ほんと?やった!」
わたしはその場で喜んだ。
「愛依」
でも煌くんはそうでもなくて、静かにわたしの名前を呼んだ。
「どうしたの?」
心配になって聞いてみると、
「お前に話さなきゃいけねぇことがある」
真剣な瞳でそう言った。
「俺は……不良だ」
いや、それは言われなくても分かってたよ?
でも、どうやら話はそれだけではないらしい。
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