恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
愛依が目を覚ましたあと、健一の言葉にヒヤッとした。
「愛依ちゃんは、もうすぐ……記憶が、戻るかもな……」
健一にとっては、いい事なのかもしれないが、深刻そうに言った。
多分それは……俺にとっていいことじゃないからだ。
健一は、きっと……愛依は…今の愛依は、いなくなると、思ってるんだ。
高い確率で…
だから、ああ言ったんだ。
「辛いかもしれないが……愛依ちゃんの幸せは愛依ちゃんのものだ。誰かが勝手に決めていいもんじゃない。彼氏の…お前でもな……
愛依ちゃんが…どうなるべきかは、お前もわかるだろ?」
わかってる……わかってんよ……
だけど……やっぱ…もう少しだけ……お前を…独り占めしていいか……?
あと…少しだけ……