恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
神奈川………
わたし……神奈川に住んでるの……?
でも……なんかしっくりこない。
なんか違う気がする………
それよりも誰だろう……助けてくれた人……
お礼を言わなきゃ……
「君……」
今まで黙って考え込んでいたお医者さんが声をかけてきた。
わたしはそちらに目を向けた。
「君は多分、全生活史健忘という記憶障害だ。
簡単に言うと、記憶喪失」
やっぱり………
「原因は、心因性………ストレスからか、外傷性……頭に衝撃を受けたからか、だな。
記憶は、戻るかもしれないし、戻らないかもしれない。
そこは俺達も努力するからいいんだが………」
記憶………戻らないかも……しれないんだ………
だけど、もっと重要なことがあるようで、お医者さんは言葉を濁らした。
.