恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
病院に行くと一昨日と同じ病室へと向かった。
女は、一昨日と同じようにベッドに横たわっていた。
目を覚ましていないっていうのは、本当みたいだ。
「煌、来たんだ」
「ああ……
何で…目ぇ覚めないんだ?」
ベッドに近付きながら、健一に聞いた。
「わからない……
大きな怪我はなかったんだが……もしかしたら、脳に衝撃を受けたのか……あるいは精神的に大きなダメージを受けたのか」
「……」
俺は何も言えなかった。
「この子自身が頑張らないと………一生目を覚まさないかも知れない」
何でこいつが……こんな目に………
話したことすらない、先日会っばかりのこの女に、同情ににた感覚を覚えた。
俺……らしくねぇ…な………
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