恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
そう思ったけど、やっぱり気になって、俺は毎日病院に通うことにした。
特に何もせず、ただ椅子に座って女を眺めるだけ。
健一には、「遂に頭がいかれた?」って、イラつくようなことを言われたけど、止めなかった。
女は倒れていた時、身元がわかるものを一つも持っていなかったから、今、警察に身元確認をしてもらっている。
親も心配してんだろうな………
女を助けてから一週間経った日。
病院からたまり場に着いた時、ちょうど携帯が鳴り、見ると健一から電話がきていた。
まさかと思い、電話を取った。
「健一!」
「言わなくてもわかったみたいだな。
あの子目を覚ましたよ」
「今からまたそっちに向かう」
そう言ってバイクに跨がり、病院へと急いだ。
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